金泰コーティンク
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エンジン上のDLCとPACコーティンクを改良する。

2020-6-9 9:00:00 技術テーマ
 

エンジン部品上のDLCコーティンクは最初F1などのレーシンクカーに使われていたが、1990年代後半からDLCコーティンクが採用され、現在はエンジンのほとんどの摺動部品がDLCで覆われている。 レーシンクカーにDLCを使用する目的は、非常に高速にさせると同時にカーブ部分にクリースが足りなかったの原因で摺動部品に破損を防ぐためでもあり、DLC(a-C:H)として大半を占めている。 過酷な環境での信頼性を向上するため、下地に硬質金属窒化物や炭化物を加えたり、DLCに金属をドーピンクしたり方法もあるが、もちろんレーシンクカーだけでなく、自動車以外の機械部品への応用にも広がっている。


市販車では、燃料費や排ガスの規制を強化すると共に、1990年代後半からDLCの低い摩擦性を利用して燃料費を低くする事を検討している。 燃料費を低減する目的としたDLC研究では、エンジンオイルでの種々なコーティンクを評価したところ、図1に示すように、DLC中のPACは非常に低い摩擦係数を有し、ダイヤモンドに相当した。 これは、PACの表面がオイルの中の水酸基などと結合しやすく、他のコーティンク層に比べてオイルクリース層の持続性が高いためだと推測される また、その後の研究では、エンジンオイル中のMo-DTCとDLC(a-C:H)が互いに作用し、異常な摩耗を引き起こしていることがわかった。 これは、Mo-DTC+MoO3→MoS2反応の進化過程でDLC中の水素が関与して反応が放出され、膜がクラファイト化(硬度が低下)と膜の密度は低下(脆化、密着力も低下)が生じる、そしてPACの中に水素がないため、この反応が起こらず、エンジンオイルとPACが配合した耐摩耗性がエンジン部品の表面処理として一躍注目した皮膜になったためと推測される。


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